「顧客への連絡、メールだと見てもらえない…」 「SMS送信サービスとLINE公式アカウント、結局ビジネスで導入すべきなのはどっち?」
デジタルマーケティングや顧客対応の現場において、この「SMSとLINEの使い分け」は常に悩ましいテーマです。どちらもスマホの通知画面に直接アプローチできる強力なツールですが、ビジネスにおける「役割」は明確に異なります。
結論から言うと、SMSは「確実な通知と到達」に優れ、LINEは「顧客育成とリピート促進」に優れています。この記事では、両者の違いをビジネス指標で比較し、売上アップや業務効率化に直結する「賢い使い分け」について解説します。
ビジネス視点で見る「SMS」と「LINE」決定的な7つの違い
一般ユーザーとしての使い勝手ではなく、企業がツールとして導入する際に直面するコストや効果の違いを見ていきましょう。
1. 「到達率」と「開封率」の質
最も大きな違いは、「メッセージが相手に届く確率」と「気付かれる確率」です。
- SMS(到達の王者): 携帯電話番号はメールアドレスのように頻繁に変更されません。また、MNP(番号ポータビリティ)によりキャリアを変えても番号はそのままです。アプリの通知オフ設定の影響も受けにくいため、画面にポップアップされやすく「確実に見てもらう」力に長けています。
- LINE(反応の王者): LINEも開封率は高いですが、ユーザー側で簡単に「ブロック」や「通知オフ」ができてしまいます。しかし、開封したユーザーのクリック率(反応率)はSMSよりも高い傾向にあります。
2. 「配信対象」の違い(リストの質)
- SMS: 「電話番号」さえあれば送れます。つまり、LINEで友だちになっていない「休眠顧客」や「新規問い合わせ客」にもアプローチ可能です。
- LINE: 相手からの「友だち追加」という能動的なアクションが必要です。つまり、すでに自社に興味を持っている「見込み客」や「既存ファン」が対象となります。
3. 「情報量」と「訴求力」
- SMS: 基本はテキストのみ。URLは貼れますが、画像や動画を直接表示させることはできません。文字数制限もあるため、「用件のみを簡潔に伝える」ことに特化しています。
- LINE: 画像や動画をふんだんに使った視覚的な訴求が可能です。商品の魅力やブランドの世界観を伝えるにはLINEが圧倒的に有利です。
4. 「コストパフォーマンス」
- SMS: 一般的に「1通あたり○円」の従量課金制です。長文を送るとコストが倍増するため、一斉送信などのバラマキ施策には不向きな側面があります。
- LINE: プランによっては数千〜数万通まで定額で送れます。画像を送っても長文を送っても1通のカウントは同じため、情報を詰め込んで送る場合のコスパはLINEが高いです。
5. 「即時性」と「アクション」
- SMS: 「今すぐ確認してください」という緊急性の高い通知に向いています。
- LINE: 「時間がある時にクーポンを見てね」という、隙間時間に楽しんでもらうコンテンツに向いています。
6. 「双方向コミュニケーション」のハードル
- SMS: 企業からの一方的な通知に使われることが多く、顧客から返信をもらうハードルは高めです。また「SMSの送信にはお金がかかる」という意識もあり、送信を避けたいというユーザーも一定数存在します。
- LINE: 「LINEチャット」機能により、1対1のトークが容易です。電話するほどではない問い合わせをチャットで受けることで、成約率を高めることができます。
7. 「信頼性」と「セキュリティ」
- SMS: 本人確認(SMS認証)に使われるほど、セキュリティ信頼度は高いです。重要なお知らせに適しています。
- LINE: なりすましアカウントのリスクなどがありますが、「認証済みアカウント」を取得することで信頼性を担保できます。
【目的別】成果が出るのはどっち?具体的な使い分けシナリオ
では、実際の業務フローにおいて、どのように使い分けるのが正解なのでしょうか? よくあるビジネスシーンでの最適解を紹介します。
1. ドタキャンを防ぎたい(予約・リマインド)
【推奨:SMS】 美容室、飲食店、クリニック、車検など、予約の前日に「明日10時にご予約です」と送る場合。LINEだとブロックされていたり、通知オフで気付かれないリスクがあります。 SMSで確実に通知を届けることで、無断キャンセル(ノーショー)を劇的に減らすことができます。
2. 新商品を買ってほしい(販促・キャンペーン)
【推奨:LINE】 アパレルやECサイトなど。「新作入荷!」の文字だけ(SMS)よりも、モデルが着用している写真や、動きのある動画(LINE)の方が購買意欲をそそります。また、クーポンの配布や抽選機能など、「楽しませる」機能があるLINEが圧倒的に有利です。
3. 支払いが遅れている顧客へ(督促・重要連絡)
【推奨:SMS】 クレジットカードや家賃の支払いなど。メールは迷惑メールに入り、電話は出てもらえない。そんな時、スマホの画面に強制的に通知が出るSMSは「督促」において最強のツールです。心理的にも「SMSで連絡が来る=重要」という認識が働くため、入金率の改善が見込めます。
4. 面接に来てほしい(採用活動)
【推奨:SMS(導入として)】 最近の学生や若手求職者は、メールをほとんど見ません。面接日程の調整メールを送っても反応がない場合、SMSで「メールをお送りしましたのでご確認ください」と一言送るだけで、メールの開封率と面接設定率が向上します。
5. 問い合わせ対応を自動化したい(CS)
【推奨:LINE】 「AIチャットボット」を導入しやすいのがLINEです。「営業時間は?」「返品方法は?」といったよくある質問を自動応答させることで、電話対応のコスト(人件費)を大幅に削減できます。
成果を出す企業がやっている「SMS×LINE」のクロスチャネル戦略
実は、成果を出している企業の多くは「どちらか」を選ぶのではなく、「両方を組み合わせて」使っています。
ビジネスにおける最大の課題は、「LINE公式アカウントの友だちが増えない」ことではないでしょうか。 店舗でQRコードを読み込んでもらう以外に、Webからの集客で友だちを増やすのは容易ではありません。
そこで、すでに保有している顧客リスト(電話番号)を活用します。
- SMSでアプローチ
- 過去に名刺交換した相手や、一度購入履歴がある顧客の電話番号宛にSMSを送ります。文面例:「会員様限定のシークレットセール招待状をお送りします。詳細はこちらのLINEから→ URL」
- LINEへ誘導
- SMSのURLをクリックさせ、LINEの友だち追加を促します。
- LINEで育成(ナーチャリング)
- 友だちになった後は、画像や動画を使ったリッチな情報を定期配信し、ファン化・リピート購入を狙います。
「到達率の高いSMSで気付かせ、表現力の高いLINEでクロージングする」 この連携こそが、両者のデメリットを補完し合う、非常に効果的な活用法です。
まとめ
ビジネスにおける「SMS」と「LINE」の違いを整理すると、以下のようになります。
- SMS: 顧客と確実に繋がるためのツール(確実性、本人確認、緊急連絡、全世代対応、通知用)。
- LINE :顧客を楽しませ、ファンにするためのツール (表現力、販促、チャット対応、リピート促進、ファン化)
「新規顧客にリーチしたい」「確実に連絡を取りたい」なら、まずはSMS配信サービスを。 「既存顧客の単価を上げたい」「リピーターを増やしたい」なら、LINE公式アカウントの運用強化を。
自社の抱える課題が「到達(気付かれないこと)」なのか、「成約(買ってもらえないこと)」なのかを見極め、この2つのツールを使い分けてみてください。




